開業前から使っていた車で節税していますか?
開業前に買ったのだから経費にならないんじゃないの?
使っているけど何もしていないよ。
開業前に買ったものも事業に関連するものなら経費として認められるよ。
創業を考えられている方の中には、開業前に使用している車をそのまま事業用として使いたいという方も多くいらっしゃると思います。
実際、プライベートで使用していた車をそのまま事業で使うというケースは多くあります。
以前の記事で創業の為にかかった支出なら経費とする事ができるという事について説明しました。
▼創業前の支出についてはコチラもご覧ください。
今回はプライベートで使用していた車(資産)をそのまま事業で使用する場合の減価償却費の計上の仕方について説明します。
実際にお金は出ていかない経費になりますので節税になります。
減価償却とは
減価償却とは10万円以上する金額のものを購入した場合、その資産が使用できるであろう期間(耐用年数)で徐々に経費化する手続きの事です。
一度に経費にするのでなく、
「その効果が長期に及ぶので複数年にわたって経費にしてね」
という考え方です。
その徐々に使用した部分を金額で表現したものが減価償却費になります。
開業前から使用したものを業務用として使う場合、開業前に使用していた期間もその価値が徐々に下がっている、として計算をします。
開業前に使用していた期間分の価値を下げて、後の残りの部分を事業用の減価償却費として費用に計上する事ができます。
計算の条件
今回は
- 500万円の普通自動車を新車で購入
- 新車として登録された日(初年度登録年月)から2年5カ月使用
- その後7月に創業し業務用で使用開始
- プライベートでは使わず100%業務用として使用
し始めたとして減価償却費の計算を説明します。
どれだけ価値が下がったか計算
まずは開業前の使用でどれだけ価値が下がったか、その金額を計算します。
購入価格は500万円です。
開業前の使用期間は2年5カ月です。
6カ月以下は切り捨てにするので使用期間は2年で計算します。
ちなみに使用期間2年6カ月以上なら3年で計算します。
普通自動車の法定耐用年数は6年ですが、プライベートで使う場合の耐用年数は業務用の1.5倍で計算します。
ですので9年として償却率は0.111です。
計算式は以下の通りです。
- 5,000,000(取得価格)×0.9(旧定額法で計算するため×90%)×0.111(耐用年数9年の償却率)×2(年使用)=999,000(減価の額)
開業前に999,000円分の価値が無くなったという事になります。
5,000,000-999,000=4,001,000となり開業時の自家用車の価格は4,000,100となります。
ちなみに複式簿記での仕訳は【車両運搬具4,000,100/主借4,000,100】です。
ですので減価償却資産として登録する取得価格は4,000,100になります。
耐用年数の計算
次に耐用年数を求めます。
今回は耐用年数の一部を経過した資産になりますので
法定耐用年数(月数)-経過年数(月数)+経過年数(月数)×20%
にあてはめて計算をします。
ここでは式の最初から最後までは月数を入れて計算します。
式は以下の通りです。
- 72カ月-29カ月+29カ月×20%=48.8カ月
年に直して4年と0.8カ月となり計算の最後で一年未満を切り捨てますので耐用年数は4年として計算します。
ちなみに耐用年数の全てを経過していたら法定耐用年数×20%で計算します。(2年未満になれば2年で計算)
普通自動車の場合は法定耐用年数が6年なので式に当てはめると1.2年となります。
よって耐用年数は2年として計算をします。
減価償却費の計算
以上の結果より開業初年度の減価償却費計算の条件は以下の通りです。
- 取得価格:4,000,100
- 償却期間:7月開業なので6/12
- 耐用年数:4年
- 償却率:0.25(耐用年数4年の償却率)
4,000,100×0.25×6/12=500,012.5≒500,013
つまり500,013円が車に対しての減価償却費となります。
所得税率が5%であればこれだけでおよそ25,000円所得税が安くなります。
当然車を使った事業という事であれば、上記の減価償却費以外にも経費にできる支出はあります。
- ガソリン代
- 車検の費用
- 任意保険の費用
- 自動車税
などです。
忘れずに経費として計上しましょう。
まとめ
プライベート使用していた車を事業用として費用計上する方法について説明しました。
初めて確定申告をする時などで減価償却資産が漏れているケースがあります。
上記の例で言うと計上した場合およそ25,000円所得税が安くなります。
ありがとー!!
事業に関係するものをしっかり費用計上する事で節税になります。
計算式が複雑ですが、しっかり理解して正しい節税をおこないましょう。
がんばるあなたの明るい未来を応援しています!
本日もおつかれさまでした!
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