今回はメガバンク行員として25年以上個人の資産形成などにかかわり、現在はお金のソムリエ協会会長として年収アップと自由が手に入る働き方を提唱されている坂下仁さんの書かれた「40代からは稼ぎ口を2つにしなさい」年収アップと自由が手に入る働き方、を紹介していきます。
この本の原型となったセミナーの受講者の中から1年で副収入が本業を超える人、2年で年収が3倍になる人、3年で会社を辞めて独立する人など、思い描いた夢を実現する人を続々と誕生させているとの事です。
この本を一言で言うと、「本業以外で再現性の高い稼ぎ口の見つけ方」を教えてくれる本です。本業以外にも稼ぎ口を見つける事を著者は「稼ぎ口二刀流」と呼んでいます。
本業以外に稼ぎ口を見つけるって、そんなに働きたくないよー。
仕事が終わったら家に帰って一杯飲んでショート動画をずっとみておきたいよー。
よく聞いて。1980年代以降に生まれた人は、年金支給年齢が75歳前後になると言われているよ。65歳で定年を迎えたとしてそれ以降、年金支給まで自力で乗り切らなければいけないんだ。今から会社に頼らない稼ぎ口を見つけておくことで収入が増え、会社に依存しない働き方が出来るようになるから、より人生が豊かになるよ。
著者は稼ぎ口二刀流を始めるのは40代で始めるのがもっとも効果的だと語っています。30代ならなお良しとも。
それでは本書の中で特に印象に残った部分について考察していきます。
世界一安全な副業からはじめる
まずは自分にできる副業を探す所からスタートをしなければいけません。
世の中にはたくさんの仕事がありますが、してはいけない副業があると紹介されています。
一例をあげると、労働集約型の副業はしてはだめだと書かれてあります。
これは、例えばパートやアルバイトです。
厚生労働省の調査では副業をしている人の5割以上が雇われる副業をしているとの事です。
パートやアルバイトは経営者という資本家から搾取される仕事なので、稼ぐという面に関していえば効率が悪いという事です。
してはいけない副業を一つずつつぶしていった結果、この本では物販ビジネス、賃貸ビジネス、情報ビジネスの3つが紹介されています。
さらにそのビジネスの中でも初級編、中級編、上級編、特殊編に分類分けされており、自分の興味がある分野から選択できるよう表が示されています。
世界一安全な副業という意味は初期投資がいらない、またはほぼかからないという事です。
事業を新しく始める、と聞くと店舗改装費や人件費、仕入れなど費用がかかるイメージがあると思います。
しっかり売上があがれば初期投資分を回収できます。
しかし投資をした結果、思うように回収できなければ自己資金が減るばかりか、返済すのに苦労する借金を背負ってしまうかもしれません。
こういったビジネスは安全ではない、という事になります。
物販ビジネスでいうと入門編の一例としては、家にある不用品をネットで販売をする、というものがあります。
これなら仕入れコストは家に元々あるので0。在庫リスクも元々家にあるので0。初期投資はなく、売れたら不要なものがお金に変わります。
これであればリスクはほぼ0なので安全な副業と言えるでしょう。
メルカリなどで商品のコメントや値段設定を考えながら出品する事、購入者とコミュニケーションを取る事などは実際自分が副業を始める時の勉強になります。
ブログで奮闘記を書く
先ほど稼ぎ口二刀流の副業として始めるのは物販ビジネス、賃貸ビジネス、情報ビジネスの3つであると書きました。
この中でも情報ビジネスはサービスが形に見えないので収益化に時間がかかります。
なので結果を急ぐ人は物販ビジネスや賃貸ビジネスを先行してスタートされた方がよいとの事です。
一方で物販ビジネスや賃貸ビジネスをスタートしたきっかけやその方法についてSNSやブログなどで情報発信をしていけばネタが蓄積されていき、どこかのタイミングでブログが名刺代わりになったり、将来の自分のサービスを利用してくれるかもしれない見込み客の接点を作ることができます。
賃貸ビジネスを選択された人も、是非同時進行でSNSでの奮闘記の情報発信にも力を入れられてみてはいかがでしょうか?
賃貸ビジネスに興味はあるけれど今一歩踏み出せない方はたくさんいらっしゃると思います。その人にとっては賃貸ビジネスを先に始めたあなたは先生にもなります。
副業の派生で不動産コンサルタント業もできるようになるかもしれません。
物販ビジネスでは価格のズレを意識する
物販ビジネスで大事な事についても記載があります。物販ビジネスは利ざやを稼ぐ商売です。利ざやとは価格のズレです。どのようにすれば価格のズレが生じるのでしょうか。本書では5つ紹介されていました。その中の1つをご紹介します。
仕入れ場所と販売場所をズラすという事です。例えば、沖縄県の海岸で採れる「星の砂」があります。実際には砂ではなく、死んだ有孔虫の殻です。
この星の砂が採取される場所は限られています。ただ、ハンドメイド作品などを作る方で欲しい人は日本中にいます。
その地域に無いものを、ある地域から仕入れて販売をする事ができれば、価格のズレが発生して利ざやを稼ぐ事ができます。ニーズが高く、よりその商品が希少であればその価格のズレは大きくなります。
賃貸ビジネスは中古の戸建てからはじめる
アパート経営と比べて相対的に安全という意味で中古の戸建てを推奨されています。中古の戸建ての強みはマーケットの規模です。
いずれ売却をする時がきた時に、自分が住む、人に貸す、売る、様々な選択がとれる方が買い手が大勢いるので有利、というわけです。
実際今アパートに住んでいる人でも中古の戸建ての賃貸ビジネスは始めやすいのではないでしょうか。
地方などでは驚くほど安い価格で戸建てが販売されている事があります。
うまくリフォームして借りてがつけば良し。最悪借りてがつかなければ自分が住む、という選択が中古戸建て1棟目なら可能です。
同じ分野の本を10冊読んで真似する
何か知識を得ようと思った時に一冊のみの知識だと、その著者の思い込みや再現性のないものが書かれてある可能性があります。
複数の同一テーマの本を読むことで、誰もが書いてある内容が見つかります。
例えば投資の本で言うと、「速攻で〇億円稼ぐ」とか「すぐに、誰でも〇億円儲かる方法」といった類の本は著者の成功体験が書かれてあります。
もちろん著者はその方法で大きく儲ける事が出来ているので、大きく稼ぐにはその方法もある、という事を知る事は良い事かも知れません。
リスクを負いながら大きく稼いだ人の体験を読むのも面白いです。
ただ、自分が同じようなやり方をして結果が出るかは不明です。大きく一気に稼げる可能性のあるものは大きく一気に損する可能性もあります。
それは投資ではなくパチンコなどと同様のギャンブルになると思っています。
投資の本を複数読んでいると、いくつかのキーワードが出てきます。
例えば、期間は長期で、ドルコスト平均法で、手数料の安いインデックス投信で運用する、NISAなどの非課税枠を利用するなどです。
同じ「投資」というテーマの本を10冊読んでいずれの著者も書いているもののみを抽出する事で、自分がどのように行動するべきかが明確になります。
持ち駒を掛け算してオンリーワンに育てる
持ち駒とは自分ができる事です。
ネイリストとして独立したい人がいるとします。
その人の持ち駒として人と楽しくコミュニケーションがとれるというものがあったとします。
それだけでも良いのですが、そこに他の持ち駒として、ネイルサロンの店長として10年働いた経験、インスタグラムを使いこなせる技術、最新の美容情報に詳しい、食品サンプルが作れるといったようにあなた独自の持ち駒が複数あるとオンリーワンのネイリストになります。
ネイリストの方は独自のセンスが磨かれている方が多い印象を受けています。
ツメというキャンバスの中にセンス良く色などを配置する能力に優れているので、例えばさらに栄養士の資格があるといったようなものも加われば、ネイリストだけでなく、インスタグラムで映えてなおかつ必要な栄養が採れる料理研究科としての道も開かれるかもしれません。
自分の持ち駒をどのようにかけ合わせて、どの客層に向かって訴求していくかを考える事が出来れば、その分野でオンリーワンになれる可能性があり、事業としても成功する可能性がアップすると考えています。
まとめ
40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい、は稼ぎ口を2つにする事をテーマにした書かれた本です。
いきなり本業以外の稼ぎ口を見つけることは難しいと思います。
その中でもリスクなく取り掛かれる事がこの本には書いてあります。
いきなり大きな投資を伴うものを始めるのは個人的には推奨しません。
副業も創業も同じく「小さく産んで大きく育てる」のが基本と思っているからです。
こんな時代だからこそ、ぜひ皆さんもこの本を読んで会社に依存しすぎないよう本業以外の稼ぎ口を見つけるヒントを探してみて下さい。
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